『容疑者の夜行列車』同様、二人称短編(連作?)小説。多和田葉子の小説は続けて読むと多和田葉子酔い(?)するので一気に複数冊は読めないのだが、この作品は比較的軽めなので続けて読んでも大丈夫そう。「あなた」がアメリカ各地を旅していくのだが、行…
俺たちの住むこの国は、バーガー調理係、ブリトー調理係、タコス調理係、カクテル係、無愛想なレジ打ち、介護人、犬の散歩屋、看板を振る自由の女神、路上生活者、あるいは物乞いたちの国になった。 俺にはちっとも超大国のように聞こえない。p.287 「戦争と…
「知的」になるためにはどうすれば良いのか。 「勉強すれば良い」とは言っても漠然としすぎて何から手をつけたら良いのかわからない、というのは多くの人が抱えている悩みだろう。語学でも経営学でも文学でも、その世界は広大すぎて目が眩む。 それでも先に…
ネットロア×怪談×強い百合、待望の第2巻。今回もごちそうさまでした。 巻を重ねるごとに空魚は鳥子にゾッコンになっていくな。虜だけに…それにしても空魚は鳥子に見惚れすぎじゃないか。顔と身体が良い女は百合力がつよい。サービスシーン(何の?)多かった…
私は今、何を読み終わったのか。 これほどまでに良い意味で「何を読んだのか」が読後に分からなくなる小説も珍しいと思う。それくらい『零號琴』は怒涛のうねりとその中に含まれる幾多の小ネタが緻密に設計され盛り付けられた特上の一品。それらの味わいが豊…