良い夜を待っている

読んだ本の感想など。最近はPodcastで配信しています。

“良い夜を待っている”

#2 記憶 の放送後記(text by @y0wo)

1.タイトルについて または円城塔の「わからなさ」 これはペンです (新潮文庫) 作者:円城 塔 新潮社 Amazon ヨ「『愛』という言葉は物事を単純化しすぎるきらいがあってあんまり好きじゃないんですけど、これは『愛』だと思いました」 羊「理系ロマンチック…

#1 はじめまして の放送後記(text by @y0wo)

なんとこのたびポッドキャストをはじめました。 放送後記は、羊毛さん(@y0wo)が書いてくれたり、私が書いたりします。 ブログともども、どうぞよろしく。 anchor.fm ======================== 1.自己紹介をしましょう ヨイヨル (…

『説教したがる男たち』レベッカ・ソルニット

レベッカの著作を読むのは2作目。1冊目は『それを、真の名で呼ぶならば』というトランプ政権の痛烈な批判から環境問題、そしてベースにあるフェミニズムまで幅広いテーマのエッセイ集。こちらもとても興味深かったけれど、よりフェミニズムに焦点を当てた本…

『供述によるとペレイラは・・・・・・』アントニオ・タブッキ

タブッキは水彩画みたいだ、と読むたびに思う。はっきりとした輪郭はないのに、離れて見るとちゃんと全体像が浮かび上がって見えてくるところとか、ぼんやりしているようで、細部はハッとするほど鮮やかだったりするところが、よく似ている。 ペレイラはうだ…

『フェルディドゥルケ』W.ゴンブローヴィッチ

ひとことで言うと、変な小説。ただ、「変」とは言っても、芸術への情熱に裏打ちされた「変」さに、私は惹きつけられる。そんな小説だった。 あらすじは、こんな感じ。30歳非モテ青年がいきなり男子校にぶち込まれ、そこで起こるなんともバカバカしい諍い(「…