良い夜を待っている

読んだ本の感想など。最近はPodcastで配信しています。

“良い夜を待っている”

インク沼の住民にもやさしい万年筆 パイロット カクノ

万年筆は楽しい。
これは筆記具で書くことが好きな人は必ずや(ハマりはせずとも)通る道ではないだろうか。私もその一人で、万年筆の、使っているうちにニブが私の書き癖に染まっていく感じや、「私だけのペン」という所有欲をみっちみちに満たしてくれるところ、丁寧な思考を促してくれるような佇まいが大好きだ。

 

万年筆を一度でも手にすると否応無しに引きずり込まれるのが「インク沼」。
もともと万年筆には初期状態で使い捨てのインクコンバーターが付属しているものもあるが、インクを詰め替えて好きな色のインクを使えるのが万年筆の魅力のひとつでもある。

 

一度でも瓶詰めのインクを買ってしまったら最後、もうそれはズルズルと、沼の底の底まで引きずりこまれてしまう。

 

だってこんなに可愛くて、たくさんの色があって、書くたびに自分が選んだ綺麗な色たちが文字を彩ってくれるなんて。お気に入りの万年筆で、お気に入りの色で文字を書くたびに、こんなにも嬉しくなれるなんて。あの色も可愛い、この色も素敵。

そんなこんなでいつのまにかインクの数が増えていく。

おうちのインクたちを全員集合させてみた。いっぱいあるね・・・

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せっかくなので紙に書いた色も少しばかり。書いてないのも全部いい色なんだ!↓

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でもここで問題がひとつ。


たくさんの色のインク、買ったは良いものの、使い始めるまでに時間がかかってしまうのだ。万年筆のインクは意外と減らない。一度詰め替えると毎日大量に使うわけでなければ、余裕で2-3ヶ月持ってしまう。こないだ買ったあの色を使いたいのにな、というときに、まあ洗って詰め替えれば良いだけなんだけれどなんだかもったいないし、あの色とこの色、一緒に使いたいな…なんて気持ちも膨れ上がってきてしまう。

 

万年筆は、上を見れば限りがないくらい、値段設定が強気。本気のものは平気で五万円以上したりする。そんなの買えない。

 

つけペンやガラスペンという選択肢(コンバーターを取り付けるのではなくて、ペン先にインクを付けて書くタイプのペン)もあるけれど、とても繊細な作りだし、私のように雑な人間にはすこしハードルが高い。ガラスペンなんてすぐに割ってしまいそうだし、インク瓶がないと外出先では使えないし。

 

じゃあもうすこし安めの万年筆で、でも書き心地もデザインも悪くないものが無いかな?と探したときに出会ったのがパイロットのカクノ

カクノはそのコンセプト通り、子供でも使えるように握りやすく書きやすいし、シンプルな作りで、割と頑丈。そしてお値段も一本千円くらいと、お財布にも優しい。
コンバーターは別売りだけれど、こちらもそんなに高くないので合わせて買っても二千円しないくらい。デザインも可愛い。

 

これならたくさんの色のインクを使える!ということでいつのまにか手元にたくさん揃ってしまった私のカクノたちがこちら。

 

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↓ 汚れててすみません。ニブのお顔もかーわいい

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ひとつの万年筆を、大事に大事に使うのももちろん素敵なことだけど、私のように「たくさんの色を楽しみたい」人には、カクノは本当におススメ。

 

何本か揃えて、その日の気分で好きな色のインクを楽しむ。
そんな万年筆とインクの楽しみ方だって、あって良い。毎日の日記が、メモが、少しだけ彩り鮮やかになる。そういう小さな幸せを、カクノは私にくれる。

 

いつもありがとね。