“良い夜を待っている”

『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』SFマガジン編集部

発売が決定してからずっとずっと楽しみにしていたアンソロジー。愛してやまない『天冥の標』の著者、小川一水も参加となれば買うしかない!!ということで、SFマガジンの百合特集から助走をつけてきた身としては、本当に発売が嬉しかった。そもそもジャンル…

『姑獲鳥の夏』京極夏彦

――君を取り囲む凡ての世界が幽霊のようにまやかしである可能性はそうでない可能性とまったく同じにあるんだ。 この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君。p.92 はじめての京極堂。分厚すぎる(『姑獲鳥の夏』は比較的薄い方)、ペダンチック、日本…

『鼻/外套/査察官』ゴーゴリ

ゴーゴリの作品は青空文庫にも入っていて無料で読めたり、いろいろ翻訳が出ている。私が光文社の古典新訳を選んでみたのは、「落語調で訳されている」というのが(賛否両論あるみたいだが)なかなか挑戦的で面白そうだなと思ったから。あと来るべき『死せる…

『マルドゥック・アノニマス4』冲方丁

ウフコックの死が約束されているアノニマス、第4巻。スクランブルの頃からずっと読んでいるけれど、バロットの成長っぷりに目頭が熱くなる。世界の何もかもを諦めていた彼女が、ウフコックやイースターズ・オフィスの仲間たちと出会って、未来を自分で選択す…

『カフカの父親』トンマーゾ・ランドルフィ

イタリアの鬼才、トンマーゾ・ランドルフィの短編集。奇想天外なお話、どれも質感が違っていてバリエーション豊かで面白かった! その中でも「カタチがないものに別の特性を付与する」作品が私は好きだな。 「『通俗歌唱法教本』より」は人間が喉から発する…