良い夜を待っている

読んだ本の感想など。最近はPodcastで配信しています。

“良い夜を待っている”

『『百年の孤独』を代わりに読む』友田とん

note.mu 友田さんとは、かつて柴田元幸と佐藤良明のピンチョン『重力の虹』刊行イベントでニアミスしていたのがきっかけで、Twitterで相互フォローとなった。それ以来たいしてネット上で話もしておらず、互いにごくたまにふぁぼり合うだけの仲であり、友田さ…

【2カ国目】『野蛮なアリスさん』ファン・ジョンウン:韓国①

近年の韓国文学の躍進はめざましいものがある。日本翻訳大賞の第一回と第四回ではそれぞれ『カステラ』と『殺人者の記憶法』が受賞しているし、近現代の作品がどんどこ翻訳されている。この躍進は、今回取り上げるファン・ジョンウンも訳している斎藤真理子…

『恥辱』J・M・クッツェー

インテリ性欲おじさんの失墜物語、と言ってしまうと自虐ギャグ漫画みたいだな。 前半はそのとおりで、ウワこんなおじさんキッツイ、キツすぎるキモい、と笑いながら読んでいたが、だんだんそのおじさんを取り巻く状況がしんどく重くなっていく。 中盤あたり…

【1カ国目】『脳天壊了』吉田知子:日本

アステリオンの旅行鞄、栄えある第1カ国目。まずは日本から。 今回選んだのは吉田知子の短編選集。完全にタイトル勝ちの『脳天壊了(のうてんふぁいら)』。意味としては「大馬鹿者」とか、「頭イカれちゃってる」「イっちゃってる」というようなところ。Wi…

アステリオンの旅行鞄:荷造り

ではさっそく、旅に出る準備をしよう。 荷造りにはある程度の秩序が必要。使用済みパンツと新しいパンツは別の袋に入れたいし、ちょっといいレストランに行くときのドレスと、海に行くときのTシャツはごっちゃにならないようにしないといけない。最初にどの…